市民講座 

パネル ディスカッション
  医療・介護、理想の医師像等々幅広く 
 

パネルディスカッションは山家会長の司会進行、2名の大阪府内科医会副会長、5名の大阪府内科医会理事、管理栄養士、さらに講師の河合先生も参加して行われた。

 医療と介護、将来の展望

 大阪府医師会の医療・介護保険担当理事でもある中尾副会長は、このテーマで基調的な話を行った。
 混合診療という話が昨年から問題になっている。現在、日本の医療費は30兆円であるが、団塊の世代が高齢化を迎える20年後には60兆円必要になってくる。しかし政府は、公的保険で給付される部分を削減し、20兆円に抑えようと考えている。その結果、差額の40兆円の医療費を公的保険ではなく、民間保険など患者の自己負担で賄おうと考えており、混合診療の全面解禁にはこの考え方が根底のあるため、国民皆保険制度は守り通さなければいけない。また介護に関しては介護保険の見直しが行われて介護予防の考え方が導入されようとしている現状、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるように地域包括支援センターの設立などが説明し、国民を支えていこうとしている医師会側の姿勢を強調した。

 信頼される医師とは

 東淀川区医師会長でもある光井副会長は、医師会と患者の立場を踏まえて、形がなく評価のしようがない“信頼される医師像”という難しい話題について話した。医療水準、医療技術は日進月歩進んでいるが、それを身につけていくことが大切であるとした上で、病院と診療所は持っている姿勢が違う。診療所は外来、往診を含めた在宅医療を行い、それぞれの家庭環境さえも熟知してトータルに診療をしている。病院は入院と高度医療を司るところである。このように機能分化されているので、自分に合うかかりつけ医を持つことが医療の効率化の上でも最適である。また医療安全が色々と言われているが、それは説明不足から来るものが多く、多くの質問をして満足の得られる答えをしてくれる医師を見つけることも大切である。説明が十分でない医師は、かかりつけ医としては適さないと医師の努力も必要であるとし、大阪府医師会や地区医師会でも相談会などを行っているので利用する方法もあると述べた。

 医師が困ること−小児科編

 小児科も行っている奥理事は@親の過剰心配は子供がおびえて診察ができないAスムーズに診察を行うために熱は事前に計ってきて、診察のしやすい服で、裸の方が全てが診察できるB風邪の時はのどを見ないと診断がつかないので家で普段から練習させておくとよいC親の代わりに祖父・祖母などが診察に連れていく時は情報を親からよく聞いて伝えられるように、上手に医師にかかるには、患者さんの経過をまとめておくのが良い。

 専門分化が進んでいるが

 専門医にしかかかりませんという人が近ごろいるが、それによってレントゲン写真をとったが、心臓の専門家だったために肺がんを見逃したという例題が司会者から披露された後、樋口理事が、病気があるかどうか、どういう治療が必要か、通院だけで大丈夫か入院が必要か、そういった道案内を行うのが開業医の役目であると説明。何の病気か分からないうちに専門医のもとを訪ねては、何軒も回らなければならなくなることもあり、さらに病院と密接に連携しているかかりつけ医を持つことが一番良いと説明した。

 心療内科ってどんなところ

 野崎理事は心療内科が専門である。心療内科は心の悩みを抱えている人が行くところという漠然として認識はあるが、標榜が認められてから10年足らずのため不明確な点が多い。心療内科は精神科と違って、基礎に身体疾患があり、それ環境などにより症状に変化が起こる。敷居が低く入りやすいところで、まず、患者さんの話をゆっくりと聞いてあげることが診療の根本であると強調した。疾患の状況によっては精神科や他の専門の病院へ紹介し、また各科の薬剤を投与したり、自律神経の訓練、カウンセリングを行ったりするという。いずれにしても何となく体がだるい、心に悩みがあるといった時、気軽に受診し、率直に自分に気持ちを話してほしいと述べた。

 介護の問題点は

 外山理事からは介護を中心に話が行われた。この制度は大急ぎで作られた仕組みのため、今、色々と問題が起こってきているが、自分の老後を考える時、@長い目でみて必要なものは何かを考えるA年を重ねていくための作戦を練るの2点が大切で、そのためには先を見通して親身になってアドバイスしてくれるかかりつけ医が大切と強調された。医者とケアマネージャーの関係が取り沙汰されている。医者は敷居が高いという指摘もありその点は反省すべきであるが、ケアマネージャーは前の職種などは問われず資格を取得できるため、医学的知識がまるでない人の場合もある。ケアマネージャーと面談する場合、かかりつけ医に相談してくれましたか?と聞くことも大事だとした。

 ついつい食べ物に手が伸びる!

 糖尿病専門医でもある福田理事には、ついつい食べてしまうのをどうしたらよいかと質問した。究極の問題で答えは非常に難しいとされながら、@満腹感を感じるように1口で30回は噛むAそのためにも繊維質の多いもの、噛みごたえのあるものから食べるB塩辛いものは食欲をそそるので注意C3食しっかり食べる食べるものが身近にあるからいけないので、空腹時の買い物、目につくところに食べ物を置く、あちこちに置くことをやめるD運動は食後に行うといった注意があった。島田管理栄養士からの補足説明として野菜類、魚・肉、最後にご飯という順序で食べることがよいとの指摘もあった。また福田理事は1錠飲めば空腹が抑えられるといった夢のような薬はまだ開発されていないので、そのようなうたい文句のものはまやかしであったり、脳に悪影響を与える麻薬のようなものであるので手を出さないようにとの注意した。

 夢を持って…

 お肌についての講演を行った河合先生からのとっておきの話は「夢を持つこと、それに向かって努力すること、毎日をエンジョイすること」であった。これは肌にだけでなく健康生活にもつながるものであると山家会長はパネルディスカッションを締めくくった。